記憶の欠落
この町J市は、この前の国でのH市と比べると、町全体の綺麗さでは格段に上である。今のオフィスだって、この前のオフィスと比べたら、外観は格段に良い。見た目はすごく綺麗なんですよね。でもねぇ、足元とかを見たり、そのあたりの物を見ると、ちょっと触る気になれないんですよね。2階分の階段を昇り降りして煙草を吸いに行く喫煙室では、いつも誰かが椅子を進めてくれるのです。でもねぇ、周りの壁とか触りたくないし、椅子にもあんまり腰掛けたくならないんです。なんか、ジワジワと汚れが伝わってきそうな気がするのです。この違いは、どこから来るのでしょうかね。隅っこを気にするのは日本人だけなんでしょうか。
お昼御飯を食べた帰り道、「あっ、やっちまった」と気付きました。完全に記憶が欠落していた自分を思い出したのです。記憶の欠落って恐いんですよ。実は、この町のど真ん中に、中国の某銀行の巨大な高層ビルが建っているのです。前を通るたびに、すごい勢いだなぁと感じていたのです。いつか、そのうち、この銀行株でも買ってみようかなと思っていたのは事実です。単位株が数万円なので、いつでも買えるなとは思っていました。そこまでは記憶にあります。しかし、買い注文を出した自分の行動は、完全に忘れていたのです。ビルの前を通りながら「もしかして、ヤバイかも」と思いました。やっぱり約定してました。寝る前に、数万円を動かしていたんですね。すっかり忘れていた自分に気付いた時は、本当に怖くなりました。大金持ちだったら何をしでかすか分かりません。しでかして、みたいとは思いますが。誰か、記憶が欠落して私の口座に振り込んでくれる人は居ませんかね。
寝る前の行動は危険です。睡眠導入剤を飲むと、その後の記憶が完全に欠落するのです。そのままベットに向かえば間違いは起きないのです。インターネットが繋がらなくても間違いは起きないのです。寝る前にパソコンに向かうと、どんな失敗をしでかすか分かりません。インターネット経由で大概のことは出来てしまう。危ない時代になったものです。しかし、昼間に話していたことも、さきほど思い出すまで、だいぶ時間がかかりました。全然思い出せないこともあります。人の名前を覚えるのは、完全に諦めています。幸いにして、どこかで会ったことがある人だという記憶は残っていたりします。でも、時々、すごく似た人が居たりすると、以前に会ったはずだという前提で行動してしまったりします。しかし、自分の行動くらいは覚えていたいものですね。そのうち、自分が何をしているのかも分からなくなるのかしら。
だけど、昨日からパソコンを注文しようとしているのは、しっかり覚えています。パソコン買おうとしているんだと話しただけで、すぐに何を買おうとしているのか、回りの人に分かりました。皆、同じものを狙っていたんだ。在庫がなくても、注文できそうです。月末に6日間だけ帰国できるので、その時に手に入れてインストールできるといいなぁと考えています。こういうことだけは忘れません。
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